# Booklog - バーベキューの歴史

Author: Jonathan Deutsch, Megan J. Elias, 伊藤はるみ

## 2026-10-16

- Read count: 1
- Pages: 1 ~ 13 (pages read: 13)

最近心身共に疲れ激しいので本書でリフレッシュする。
序章。煙と調味料と肉の肉汁滴る出会いからバーベキューは生まれる。最もプリミティブな料理。
英語におけるバーベキューという単語の意味やスペルの多様さ及び誤用の多さ。本書での定義は「スモークしながらゆっくりローストする」こと。
バーベキューは直火でなく空気が「ゆっくり」熱を伝えて「スモーク(煙で燻し)」しならがら「ロースト(あぶり焼き)」する調理法。北米でいう下から加熱するグリル、上から加熱するブロイルのいずれとも異なる。
正しくないバーベキューの使い方とか、燃料にこだわるバーベキュー純粋主義者・原理主義者とか初めて知ったわ。定義だけで 13 頁まで来た熱量、良い。
目次を見るに、この先はバーベキューそのものについて以外にも、祝祭・政治との関わり、競技としての特性などに触れられるみたい。
ピクルスの時もそうやったが食の図書館シリーズほんといいなあ。知らない世界の広さを知れる。

## 2026-10-17

- Read count: 1
- Pages: 14 ~ 31 (pages read: 18)

第 1 章。バーベキューの起源。火＋肉＝バーベキュー。非常に古くある非常に単純な調理法にして、競技会の対象にもなる高度に文化的な側面。
バーベキューの語源は諸説(フランス語の barbe à queue (ひげからしっぽまで))あれど、語源学的にはクレオール語の "barboka"/"barbacoa" が有力。
世界各地に材料や調理法の多様性が見られ、様々な場所で自然発生したと考えられる。 150 万年前には原人が火で肉を炙った痕跡がある。
12 万 5000 年前のネアンデルタール人は、生理活動の維持に必要なだけの肉塊を狩猟場から運ぶため、火を使ってジャーキーを作ったと有力な証拠が示されている。
古代ではギリシア(オデュッセイア)、エジプト、イスラエルにもバーベキューの痕跡が書物に見られ、ローマではバーベキューに無関心なもののスモークが調理法の一部として用いられていた。
ケルト人は金串を用いたバーベキューを行っていた。中世ヨーロッパでもバーベキューは存在した。
ヨーロッパの文化権は、語源と考えられ得るカリブ海地域のバーベキューに出会う以前から、それに類する料理を考案したばかりか、現代の北アメリカのバーベキュー文化に通ずる酢および各種スパイスによる味付けを確立していたことがわかる。
ここまでではヨーロッパ圏に記述が寄ってるけど、古来よりバーベキュー文化が地球を覆ってる広がりを感じられるのはあとの章かなあ。

## 2026-10-18

- Read count: 1
- Pages: 32 ~ 61 (pages read: 30)

第 2 章。男らしさと祝祭。なぜバーベキューは男の料理とされるのか。バーベキューの国アメリカを中心とした分析。
戸外を男性と繋げたのは 19 世紀の工業化により生産の場が家庭外に移ってからのイギリス・アメリカの話。きちんとした家の女性が戸外のバーベキューで肉をもりもり食べるのは良く思われなかった。
狩猟時代の狩人としての男性の役割に由来する説。宗教的儀式とも結びつき、広く世界でも同様の傾向が見られる。
戦士の料理だった説については、古代北ヨーロッパ(ケルト)やパプア・ニューギニアでも見られる。
アメリカでの政治との関係について。大勢に振る舞える料理から、選挙活動の一環として用いられた。
焼くのは専ら黒人男性で、後にその仕事に注目して食堂を開くようになり、人種の壁を越えた交流の場、あるいは対立の場となった。
イベントとしての大規模なバーベキューパーティー。こだわりの強い変わったシェフのイメージ。
そして第二次大戦後に普及した戸建て住宅裏庭でのバーベキューが、平日は抑制して仕事に励み、休日はバーベキューを焼く男らしさを示すという新しい父親像を生むこととなった。
国・時代問わず男性とバーベキューの結びつきが見られるけど、その理由はそれぞれ異なるみたい。バーベキューと共同体が相互に影響し合う関係にあるようにみえる。おもしろ。

## 2026-10-19

- Read count: 1
- Pages: 62 ~ 96 (pages read: 35)

第 3 章。バーベキューの技術。棒(串と杭)、炉穴(ピット)(溝)、ラック、オーブン。
棒。串と支柱さえあれば水平にしたり斜めに立てたりして肉を焼ける。
古くは木製の、後に鉄製の串。炉穴やラックと組み合わせて使われる。
串の素材と熱源の変化で薪の煙がもたらしたピンクの肉は得られなくなったが、大量に焼くことで互いの肉汁を移し合うメリットもある。
炉穴。炉穴を使うピットローストはハワイ・アメリカ大陸・カリブ海地域や北アフリカ。土を被せるものは火の制御が容易で火の近くにいなくて済む。
20 世紀中頃まで北アメリカの大規模なバーベキューパーティでよく使われた。
ラック。木製のラックを組み立ててバーベキューをした。アメリカのアウターバンクスの島々に住む先住民の魚のバーベキュー。東アフリカのマサイ族のニャマチョマ。南アフリカのブラーイ。モンゴルのボードグ、ホルホグ。
オーブン。タンドール。紀元前 5000 年のイラクの遺跡でも同型のオーブンが見られ、中央アジア、中東、南アジアに広く見られる。
20 世紀のアメリカでも庭に作ったオーブンが流行った時期がある。その後よりリーズナブルなバーベキューグリルが登場した。
W・B・ミリソンのバービーsoケトル、ウェーバー・ブラザーズ・メタルワークスのケトルグリル等。
中にはわざわざケトルグリルを使わずドラム缶でよいという向きもあった。
キューバのカハ・チナ(中国の箱、由来は中国人労働者が持ち込んだと言われるが不明)は炉穴・ラック・オーブンの一部を合体させたもの。
熱源に対しての議論もある。ガスグリル利用の是非。多くのヒトはガスの火ではバーベキューでないと考える。市販の炭(多分成形炭)も薪の煙と違う不快な匂いを発するため、薪だけが本物の風味を生むという考えもある。
利用する技術の違いはさておき、本書ではバーベキューの本来の姿を探求するため「ゆっくりとスモークしながらあぶり焼きにする」ことをバーベキューの定義とする。
第 2 章もそうだが、かなり端折ってもすごいメモの量になる。バーベキューの知識が膨大にある。

## 2026-10-20

- Read count: 1
- Pages: 97 ~ 130 (pages read: 34)

第 4 章。世界のバーベキュー。世界各地のバーベキューは概ね、スパイス・ペースト・塩水・マリネ液などで下味をつけ、スモークしながらじっくりあぶり焼き、ソースをつけるの 3 工程がある。最低限必要なのは 2 番目のステップのみ。
大陸ごとに概ね 2 例を示している。バーベキューの無限の可能性を網羅するのでなく、その多様性を知るための例示である。
アフリカのブラーイ、シサ・ニャマ、クペクペ。
東アジアのチャーシューに代表されるシューメイ(スモークリングの代わりに食紅を使うようになった)、ホルホグ・ボードグ。韓国や日本の焼肉は薄い肉を短時間グリルするだけで煙の香りもなくバーベキューではない。
南・中央アジアのタンドール料理。
北アメリカの鮭やシャッドのプランキング、バルバコア。アメリカ南部から南西部および中西部の南部にかけての「バーベキューベルト」。
中央・南アメリカのジャーク、アサード。アサードは南米に広くある。ブラジルではシュラスコ。
ヨーロッパの子豚のレチョン、あるいは宗教的な意味で子羊。スラブ。
オセアニア・太平洋地域のカルア・ピッグ、カルア・ポーク。オーストラリアは直火焼きの方が盛ん。ニュージーランドはマオリ族のハンギがある。
どの地域も一つの言葉がかなりの料理のバリエーションを含んでいたり、幅の広い意味を表すというのは、バーベキューという言葉との類似性があって面白い。
元植民地の地域に関しては、植民地支配者の食文化の影響を受けつつも、現地の食材や調理法と融合して独自のバーベキュー文化が形成されている例が多い。

## 2026-10-21

- Read count: 1
- Pages: 131 ~ 149 (pages read: 19)

第 5 章。バーベキュー競技会。第二次大戦後のアメリカ・カナダにおけるサブカルチャー化。
数あるイベントの中でも最大級のメンフィス・イン・メイのバーベキュー世界チャンピオン大会。
男の楽しみとしての側面が強く、女性の出場者は少ない。
丸 2 日間、日差しと煙と熱気の間で動き続け、夜通しバーベキューの世話をするのはスポーツに近い。
会期中見せ場もなく、観客は会場で料理を食べ音楽を楽しみビールを飲み、ついでに競技の表彰式を見る楽しみ方。競技者も客受けを狙いがち。
競技チームの料理を食べられる審査員が新たな趣味として注目される。
今やアメリカに留まらず、アイルランド、カナダ、プエルトリコ、アルゼンチン、南アフリカ、イギリスでも開催され、別ジャンルの料理大会でバーベキューが入賞するほど。
競技者は勝利を目指すと同時にバーベキュー普及のためのショーマンシップも持つ。
チームには緻密な計画を作ってそれを実行する力が求められ、昨今では工程表だけでなくタイマーやセンサーやアラームといったアイデア商品を活用する信仰のようなものが広がっている。
今やバーベキューは儀式等で自慢とユーモアが織りなすユニークな体験に進化した。
気の所為か、著者絶対バーベキュー大会好きなんだろうなという雰囲気が感じられるな。

## 2026-10-22

- Read count: 1
- Pages: 150 ~ 192 (pages read: 43)

第 6 章。ソースと付け合わせ。これで本書の本編は終わり。
アメリカ各地のトマトか酢かマスタードをベースにしたソース(例外的にマヨネーズもある。世界最古のバーベキューソースとされるヨーグルトベースのソースとの類似性)。
及びそれに似た世界のソースの紹介。他のバーベキューと違いアサードは塩を擦り込んで焼きチミチュリソース(刻みハーブとオイル・酢)で食べる。
チミチュリと似た成り立ちのアフリカのピリピリソース。いずれも由来がスペインかポルトガルの植民地であったと考えられる点。バーベキューソースとしては甘み・酸味・スパイスの刺激が世界的にも好まれているよう。
付け合わせは世界で多種多様だが、豆・じゃがいも・小麦やとうもろこしのパンなど。
訳者あとがき。巻末の役に立つかわからないレシピ集も素敵だ。
著者たちのバーベキューの定義に基づいた世界のそしてアメリカのバーベキューとそれを取り巻く要素を広く紹介してくれる本だった。
「煙であぶり焼きした肉」でコレだけ世界を繋げられるのは深い。広く浅くな感じなので入門にちょうどよかった。ここから更に掘るなら、あるかわからない専門書を探すことになるのかな。
