2020-06-29

Step Functions のステートをまたいでパラメータを伝播するパターン

前の記事で記したアイデアの実装例を残しておいた。

krymtkts/contextual-sfn: Example for passing parameters across states.

現時点で実際にお仕事で使っているパターンなのだけど、前述の通りペイロードが大幅に大きくなると問題になり得るので、より良くするすべはないものかと考え中。

おさらい

StateMachine の構成。

  1. Task

  2. Map

  3. Reduce

のステートがあるとする。Task は文字列、配列 A、配列 B を Output する。これらのデータについては以下の通りとする。

  • 文字列(t)は、フロー全体に渡って使用したいデータ。

  • 配列 A(ia) は、1 つ目の Map タスクで分散したいデータ。

  • 配列 B(sa) は、2 つ目の Map タスクで分散したいデータ。

このパターンを実装した背景としては以下の通り。

  • Map と Reduce で使いたいデータを Aurora Serverless から取得する必要がある

  • 普段停止しているクラスタは結構起動に時間がかかる

  • Map では Reduce のパラメータも利用したい

  • フローの最初に全部取ってしまおう!

1. Task

Lambda からの出力がこんなのだとする。

{
"t": "nanigashi",
"ia": [1, 2, 4, 8, 16, 32, 64],
"sa": ["A", "B", "C", "D", "E"]
}

ResultPath$.dataにしておくと Task1 ステートの出力は ↓ になる。

{
"data": {
"t": "nanigashi",
"ia": [1, 2, 4, 8, 16, 32, 64],
"sa": ["A", "B", "C", "D", "E"]
}
}

YAML はこう。

Entrypoint:
Type: Task
Resource:
Fn::GetAtt: [task, Arn]
ResultPath: $.data
Next: Map
2. Map
  • ItemsPath$.data.ia を指定し、配列 A でイテレーションする

  • Parameters に Lambda へ渡したいパラメータを指定する。以下の通り

    • マッピングの各要素は$$.Map.Item.Value

    • 追加で渡したいパラメータを $.data.t, $.data.sa

    • パラメータ名末尾の.$忘れがち

  • OutputPath に前のタスクの出力 $.data を指定すれば、同じパラメータを次のステートに回せる

  • ここではマッピングの出力は無視するとして、ResultPath$.nullなどOutputPathに含まれないパスを指定する

Map:
Type: Map
MaxConcurrency: 10
Parameters:
k.$: $$.Map.Item.Value
t.$: $.data.t
a.$: $.data.sa
ItemsPath: $.data.ia
ResultPath: $.null
OutputPath: $.data
Iterator:
StartAt: MapTask
States:
MapTask:
Type: Task
Resource: !GetAtt [map, Arn]
End: true
Next: Reduce
3. Reduce
  • ItemsPath$.sa を指定し、配列 B でイテレーションする

  • Parameters に Lambda へ渡したいパラメータを指定する。以下の通り

    • マッピングの各要素は$$.Map.Item.Value

    • 追加で渡したいパラメータを $.data.t

    • パラメータ名末尾の.$忘れがち(2 回目)

  • 出力を制御したい場合は、Map 同様にOutputPathResultPathを指定仕分ける

Reduce:
Type: Map
Parameters:
k.$: $$.Map.Item.Value
t.$: $.t
ItemsPath: $.sa
ResultPath: $.null
OutputPath: $.t
Iterator:
StartAt: ReduceTask
States:
ReduceTask:
Type: Task
Resource: !GetAtt [reduce, Arn]
End: true
End: true

まとめ

こういう例、ググっても見つからずあまり使われないパターンかも知れない。 必要だった&実現できたので制限を理解した上で、容量用法守って使えれば良いかな。