Booklog - 本を読む本

積読消化。1 読書技術と積極性。 完全に受動的な読書はなく、情報を受け取るにも積極的に頭を思考して著者の意図を理解する。高度な本であればなおさら。 読書はある意味、教師から学ぶ行為である。ただし問いなおすことはできず、ただ与えられた情報から自発的に理解を深める点では、発見する行為といえる。 今がむしゃらに本読んでるだけなのでこういう本で読み込みのレベルが上がると更に良さそうよな。

2024-10-13, read count: 1, page: 1 ~ 25

2 読書のレベル。 初級読書(本が何を述べているか理解する)、点検読書(短い時間で素早く全体を把握する)、分析読書(時間の制限なく本の理解を深める)、シントピカル読書(1 つのトピックで何冊も相互に関連付け理解を深める)。 どうも今の理解度だとうまく言葉にできてなそうや。

2024-10-14, read count: 1, page: 26 ~ 31

3 初級読書ー読書の第一レベル。 高等教育までには身につけるであろう読書スキルを想定してる。 愚痴が多いけど、そんだけ身についてないやつが多いってこっちゃろな。 素朴に読んでだらこのレベルに留まってんやろからこの先に進も。

2024-10-16, read count: 1, page: 32 ~ 38

4 点検読書ー読書の第二レベル。 読むに値する本か組織的に「点検」する。表題・序文、目次、索引、帯のキャッチコピー、結び、重要そうな章をつまみ食いする。 表面読みは、一度で理解できなくても最後まで読み通すことで次の読書の土台になる。 目次の点検苦手でやってないからもうちょい気合い入れてやろう。索引は結構気になって見るねんよな。 索引がしょぼい本はあとから読み直すときにつまみ読みしにくねんよな。

2024-10-17, read count: 1, page: 39 ~ 51

5 意欲的な読者になるためには。 何に関する本で、何がどのように詳しく述べられていて、全体として真実またはある部分が真実なのか、それにはどんな意義があるのか。読者は積極的に問わなくてはならない。 書き込みでもって本と対話する。 読書の規則を 1 つずつ練習して滑らかにつなげて習慣とする。 書き込みは付箋貼って昔はやってたけどは長らくやってないなあ。 メモを取っても PAA はやめて PDA 的にやるようになった。時代の流れかの。

2024-10-18, read count: 1, page: 52 ~ 66

6 本を分類する。分析読書の第 1 規則。フィクション・ノンフィクション、教養書か否か、教養書であれば理論的なのか実践的なのか。 この本は「実践的な」本に分類される。 なるべく早い段階で、できれば事前に点検読書で分類が把握し、特定のカテゴリの中で役に立つ本なのかを見極める。 書名・表題について深く考える。直接的に分類できなくても序文・目次・索引から(それでも分からなければつまみ読みから)のシグナルで分類できる。 ただしシグナル自体にも疑問を以て受け取る必要がある。 ここまで分類に注意するのは、科目によって教師の教え方が変わるのと同じく、分類によって本の読み方が変わるから。 そうか~という感じ。無意識にやってたであろう分類、意識的にやろか。

2024-10-19, read count: 1, page: 66 ~ 86

7 本を透視する。 分析読書の第 2 規則。自分の言葉で要約する。これは「どんな分類か」では主題や目的を把握すること。 分析読書の第 3 規則。本の各部分がどのように統一性を持って順序付けらた構成をしているか示す 。 2 つの規則は密接に関係しているが、分けることで段階的に理解できる。第 2 規則は本の全体像を、第 3 規則は本の骨格を把握する。 分析読書の第 4 規則。著者の問題としている点は何かを知る。意図を組まずして統一性を見出すことはできず、骨格が何のためのものか知ることはできない。 ここまでの 4 つの規則を実践できて、分析読書の第一段階となる。 ここまでひとつの本に深く切り込んで考えようとしたことなかった気がするわ。あーなるほどねという他の知識とのグラフ的な繋がりを作りイメージはあったけど。

2024-10-20, read count: 1, page: 87 ~ 108

8 著者と折り合いをつける。 分析読書の第 2 段階、第 5 規則。重要な言葉を手がかりに著者と折り合いをつける。重要な言葉を見つけ、その言葉の指す意味を正確に掴む。 言葉自体は曖昧であり、その言葉を著者と読者の間で同じ使い方をして初めて思想を共有できる。 重要な言葉の探し方は色々ある。日常語でないもの、著者が強調しているもの、他の著者と違った使い方をしているもの。 重要な言葉の意味を掴むには前後の単語を総動員してパズルのように掴む。決まった方法はない。 重要な言葉は複数の意味で使われることもあるが、読み手にわかるようはっきり使い分けているなら曖昧さを含まない。 重要な言葉は単語・短い句・長い句で同じものが表されることもある。これはよりはっきりと読者に理解させたい意味を示す。 この章の規則はちょっと難しいな。概ね何度も繰り返し使われる言葉だったりする気がしてたけど。技術書はそのへん曖昧な言い回し少なくて優しい部類なのかも。

2024-10-21, read count: 1, page: 109 ~ 125

9 著者の伝えたいことは何か。 第 6 規則 もっとも重要な分を見つけ底の含まれる命題を見つける。命題を自分の言葉で表現できて初めて見つけたといえる。 第 7 規則 一連な分から基本的な論証を見つけ組み立てる。パラグラフ(日本語でいう段落でなく意味段落か)から論証が見つからない場合は命題を拾い集めて組み立てる必要がある。 著者自身の判断(肯定/否定)が 6 で、その理由が 7 。 第 8 規則 著者の解決が何であるかを検討する。解釈の 3 規則(第 5 ~ 7 の規則)から解決できたこと・ぶつかった課題・できなかったことを知る。 この 8,9 のセクションあんまピンときてなくてふわっとしてる。実際に本を読むときにここは〇〇で~みたいに意識的にしないと身にしみて感じられないかも。

2024-10-22, read count: 1, page: 126 ~ 143

10 本を正しく批評する。 分析読書の第三段階。批評。批評の第 1 規則。本を理解したと確実に言え、そのうえで賛成・反対・判断保留の立場を明らかにする。 批評の第 2 規則。反論は筋道を立ててすること。けんか腰は良くない。 批評の第 3 規則。反論は解消できるものだと考えること。 読書は著者との対話であるので、最低限理解して著者と同じ目線まで登ってからでないと対話にならない。 「わからない」も批評的判断だが、単に読み方が悪いだけだったり、その本だけで理解が難しいこともある。 読書の成功は知識を得ることにあり、その目的を見失わないこと。誤解と無知による反論がほとんどである。 賛成・反対・判断保留にしてもその根拠を示さねばならない。 まじめにちゃんと読み込んで誠意を持って批評しろよって感じか。

2024-10-23, read count: 1, page: 144 ~ 159

11 著者に賛成するか反論するか。 反論や判断保留の詳細を述べてる。 反論の根拠として、知識不足・誤認識・推論間違いを示すか、或いは全体的な分析の不完全を明らかにする。 前者のいずれの根拠もなければ、即ちそれは著者の意見にある程度賛成しなければならない。 反論の根拠のケースを挙げると、新事実による情報の陳腐化や、著者自身の時代背景によるバイアス等。 そして分析読書の規則のまとめ。この箇条書き便利やけどもっと早く気づきたかったな。点検読書してたら見つけてたなコレ。

2024-10-24, read count: 1, page: 160 ~ 176

12 読書の補助手段。 読書に、ある本一冊だけを読む本質的読書と他の助けを借りる付帯的読書とする。これまでの規則は前者に適応される。 しかし誰しもそれまでに読んだ本や経験からの知識があるので、全くの本質読書はない。 経験には日常で得られる普通経験と科学実験のような限られたシーンでしか得られない特殊経験がある。これらは本の種類に応じて関わりが違う。 経験で以て評価するってのは特に手法を説くタイプの技術書に対してよくやるな。結局どっかの誰かの持論なので経験が増えるほどそういう本は批評しやすくなる。

2024-10-25, read count: 1, page: 177 ~ 180

12 読書の補助手段。 付帯的読書。名著が前の時代の知識を引き継ぐ大きな流れの一部ってのは、技術書でも同じやな。 注釈書や抜粋はチートたりうるため読者自身の思考の機会を奪う可能性がある。 辞書・百科事典は知識の補完に使うが、使うには良い方を知っていたり質問できる知識が必要になる。 今どきだとわからない言葉に対しては検索で済ますこと多いな、と思った。 表面的な理解になるからそこは物理・電子の参考図書でも同じか。

2024-10-27, read count: 1, page: 180 ~ 196

13 小説・戯曲・詩の読み方。 文学を読むのは教養書を読むのより難しい。なぜ面白かったかを知るのが難しい。 ある意味積極的な受け身でもって感動を妨げぬよう「文学の影響力に抵抗してはならない」 また教養書と同じ接し方で「分析してはならなず」、同じ尺度で「批判してはならない」。 とはいえ教養書と同じ規則が適用できる点もある。 カテゴリ・あらすじ・全体の構成の把握や解釈、作品を楽しんだうえで批判する努力など。

2024-10-28, read count: 1, page: 197 ~ 208

13 小説・戯曲・詩の読み方。 小説はなるべく短時間に没入して読んだほうが良い。現実を離れその世界を経験するところに意義がある。 戯曲も同じ様に読むべきだが、舞台を前提としている点で小説のような背景の描写がないので、想像力が求められる。 戯曲も詩も声に出してみると良い。リズムや韻を通して理解できるものがある。 大人になってから戯曲とか詩とか読んだことないわ。挑戦してみるか。

2024-10-29, read count: 1, page: 208 ~ 218

14 シントピカル読書―読書の第 4 レベル。 1 つの主題を定めることの難しさ。曖昧な同一主題をはっきりするためにもまず読書量が必要になる。 ここで点検読書をすることで短い時間で主題に関連した書物を見つけることができる。 技術書の場合、ある意味点検しやすいのかもな。自分の経験でだ身がしょぼい本を「点検」時に見分けれたことないのは多分スキル不足かな。

2024-10-30, read count: 1, page: 219 ~ 227

14 シントピカル読書―読書の第 4 レベル。 シントピカル読書の5つの段階。関連箇所を見つける。著者に折り合いをつける。質問を明確にする。論点を定める。主題についての論考を分析する。 分析読書とシントピカル読書で違うのは主体が読者にあること。読者の言葉で著者の理解を顕し、読者の問いに対する著者の答えから論点を見出し、その論考を分析する。 分析の中で意見が対立するとき、独善的に答えを判断しようとするのでなく、客観的で公平な立場でもって分析しなければならない。これが難しいと。 著者の言葉を自分の言葉に翻訳する時に読み違えるなよってことと思うが、読み込むこと以外でどうバイアスを除くかは難しいよな。

2024-10-31, read count: 1, page: 227 ~ 235

14 シントピカル読書―読書の第 4 レベル。 シントピカル読書の実例。同じ言葉でも意味を違えた使い方をしている著者のグループがあり、 読者の問に即した方をより意味を明確にした読者の言葉で表現したグループとしてとらえ、その中での論争に注目する。 そしてシントピカル読書の手引としてのシントピコン(The Great Books of the Western World)。これ和訳ないのが残念よな。 西欧の思想というか概念の索引ぽいし、現代的な思想の源流を知るのに絶対いいやろ。

2024-11-01, read count: 1, page: 235 ~ 241

14 シントピカル読書―読書の第 4 レベル。 著者の言葉を読者の言葉に翻訳することを良しとしない反対派への反論みたいな感じ。 書籍が正確で読者によって翻訳可能あれば書籍同士は「語り合う」ことができ理性的なコミュニケーションは可能だというのを「原理」と指しているぽい。 なんとなく、書籍は著者・その時代背景や言語の違いがあろうが誤読のない限りは読者の言葉で表現されて然るべきだろうから、反対派の方が的外れな気はするな。 そしてシントピカル読書の段階のまとめの便利な一覧。

2024-11-02, read count: 1, page: 241 ~ 246

15 読書と精神の成長。残すはあとがきのフリしたエッセイぽいので、実質この章で終わり。 良書は読者に多くを求め、積極的な読者も自身に多くを求める。良書は多少難しかろうが脳が衰えない限り読者の成長に寄与する。 そのような本は希少であり、読むたびに新しい発見がある。この限られた良書がシントピコンにつながるわけやな。 個人的に定期的に読み返す本はあるが、それがシントピコンになるかはわからんな。 アカデミックな読み方を修練するしないに関わらず、本を読み続ける習慣の後押しになった気がする。

2024-11-03, read count: 1, page: 247 ~ 255

日本人の読書 - 訳者あとがきにかえて。あとがきのフリしたエッセイ。 短編を行ったり来たりして読む、訳書が悪文でも何度も読み込む。そのため読書技術が発展しなかったといった日本的な読書の特徴について触れられてた。 ただ時代の変化でそのような技術が有用であろう、という締め。なんか感想文チック。読書技術が発展しなかった背景でどう向き合うかみたいな話ではないんか。 読後の感覚的には、(まともな)技術書やビジネス書に限れば読書技術が活かせる気もするので、独学で実践するしかないか。

2024-11-04, read count: 1, page: 256 ~ 265