Booklog - スーパーエンジニアへの道 技術リーダーシップの人間学

Gerald. M. Weinberg, 木村 泉

長らく積んでたので読むことにした。 まえがき。 成功するプロジェクトにいた傑出した少数の技術労働者を、技術的能力とリーダーシップが結合した技術リーダーと呼び、講習を行った。 これらの人々は技術と関係なく問題解決型リーダーとして変容する。 彼らは講習をきっかけにして自身がそうなることを選択したのであって、講習でそうなったわけではない。本書がそのきっかけとなることを願う。というもの。

2025-07-19, read count: 1, page: i ~ v, pages read: 5

推薦の辞、訳者まえがき。 問題解決型のリーダーシップ≒技術革新の力、動機づけ、組織化の能力を併せ持つこと。 アメとムチのリーダシップを直線的として、システム開発のような問題解決型の状況では役に立たないので、問題解決型のリーダーシップが必要と。 原著の出版 40 年近く前で同世代レベルだが、この直線的なリーダシップが現在も見られるのは笑えるな。 本書はリーダシップの定義、技術革新、(他社に対する)動機づけ、組織化、(自身のリーダーへの)変容、で構成されてる。 コンサルタントの秘密も積読しておこう。世間的には先にあっちを読むべきようだが、逆行してても良い。

2025-07-20, read count: 1, page: vi ~ xxi, pages read: 16

第 1 部 定義。 リーダシップありふれた話題であるが理解されておらず神話や誤解がある。 この部でそれらを取り除き、リーダーシップのモデルを構築する。 第 1 章 リーダーシップとは、結局のところなんなのか。 一つの原因に一つの結果が伴うようなものを直線的なモデル、それに対し有機的なモデルはシステム思考的な複雑な要素の絡み合いで結果が導かれたと考える。 直線的なモデルは謂わば人を型にはめて変化を拒む。有機的なモデルは人を個人として捉え、変化を受け入れる。 氏の言うリーダーシップは自律的に道を選ぶことか。挿絵が種から育つぶどうか。示唆的やな。

2025-07-21, read count: 1, page: 1 ~ 14, pages read: 14

第 2 章 リーダーシップ様式に関するモデル。 MOI(Motivation, Organization, Idea ないし Innovation) モデルは自分がどのようなリーダシップの様式を持っているか理解するのに役立つ。 関係する人を突き動かすもの、アイデアを実現することを可能にする構造・組織化、実現されるもののイメージ。 それぞれのリーダーで好みはあれど、これらがバランスよく機能することが求められる。 さらに技術リーダーは問題の理解・アイディアの流れを調整する・品質を保持するといった要素を問題解決で重視する(これは次の章で詳しく)。 問題解決型のリーダーが必ず「もっとよいやりかたは必ずある」という信仰を備えている。 組織化は人の統率だけでなくその人の行動を整えるみたいな文脈があるみたい? 自分の子供の頃にアイデアによる成功体験なかったので、いつ「もっとよいやりかたは必ずある」という信仰を持つようになったのか定かではないな。

2025-07-22, read count: 1, page: 15 ~ 24, pages read: 10

第 3 章 技術リーダーの問題解決様式。 技術リーダーシップと呼ぶ技術革新のやりかたは 3 つの行動様式に分けられる。 問題の理解、アイディアの流れを調整する、品質を保持する。 問題の肝要となる細部に注意を払い、問題の本質を理解するために何度も繰り返し考える。チームにもそれを奨励する。 (多くは繰り返されよく知られた)うまいアイデアを提供・模倣し、チームのアイデアを引き出し練り上げる。アイデアを批判しヒトを批判しない。 アイデアは問題解決のためのツールであり、いつまでもアイデア出しに浪費しない。またアイデアを捨てたり再利用することも厭わない。 問題解決の品質にこだわり、常に品質を計測し計画と比較する。遂行のためには計画の変更も辞さない。 失敗を失敗のままにせず次のアイデア生成周期に活かす。 Team Geek の様なチーム作りの本に通ずるものがある。こっちの方が古いし同じことが言葉を変えて繰り返されてるのか。アイデアと同じく。

2025-07-23, read count: 1, page: 25 ~ 34, pages read: 10

第 4 章 リーダーはどう育つか。 リーダーというかヒトの成長曲線を高原谷間モデルで表現する。 成長は線形でなく、躍進の高原と停滞・後退の谷間を繰り返す。 谷間の停滞・後退の間に積み重ね、ブレークスルーの試行錯誤をし、飛躍する。 高原谷間モデルのサイクルを繰り返すことで学び方を学び、飛躍のためのコストも下がっていく。 すべての谷間が高原に繋がる保証はないが、着実に成長していく。 よく分かる。転職や経験のない技術やタスクなんかも同じで、何度か経験したあとは、多少しんどくてもどうせできるしなという実力と自信が醸成されてくる。

2025-07-24, read count: 1, page: 35 ~ 46, pages read: 12

第 5 章 でも私は…… リーダーになることに伴う痛みを避けるためによく使われる口実、及びそれらを棄却する説明。 有機的なチームではそれぞれがリーダーシップをうまく発揮し機能するので「任命された」マネージャーだけが重要な訳では無い。 リーダーになることで最新の技術のような特定の技術能力を失うのは確かだが、それは問題解決のメタ技術を獲得するのとのトレードオフ。 同時に成長痛を伴う。その機会を遅らせることもできるがいつかは避けられない。 リーダーシップを大き過ぎる力と思うかも知れないが、みな特殊技能を持った普通の人であって、アプローチを習得すれば周囲の人でもできる。 本書が書かれた頃よりも技術的アイデアが大きく影響力を持つ様になった今でも、リーダーシップは特別なものではないかなという感じはするな。一部の BigTech に求められる影響力や倫理を除けば。

2025-07-25, read count: 1, page: 47 ~ 58, pages read: 12

第 2 部 技術革新。 リーダーの技術革新において、リーダー自身のメタ認知の欠如が障害となる可能性がある。 これら主要な障害とその克服の方法を学ぶ。 第 6 章 技術革新への三大障害。 自己盲目性。自身の振る舞いを驚くほど覚えていないことが自己の改善の障害となる。 問題ない症候群。問題を軽視し解決方法ありきで考えることが、問題の理解と解決をするうえで障害となる。 答えが 1 つであるという信仰。「 1 つの正しい答え」のみを信じて取るべき選択肢を見失うことが障害となる。 基本的にメタ認知の欠如よな。自分が特別とか「正しい答え」が特別とかのバイアスがある。 あるがままを受け入れるのが良やが難しいんやろな。

2025-07-26, read count: 1, page: 59 ~ 72, pages read: 14

第 7 章 自分自身への気づきを高める法。 MOI モデルの技術革新の力・動機づけ・組織化の能力のうち動機づけだけは、リーダー自身が変わりたいと思っていない限り得られない。 本書では動機づけのテストとして、個人的な日誌をつけるために 3 ヶ月間毎日 5 分使うことを提案する。 仮に日誌に使う 5 分を無駄と思う場合は、変化のリスクを許容できずに時間の無駄として取り組まないだろう。 日誌に記した内容を読み返してみて自身へのメタ認知を高める。 わたしも 10 年以上仕事の日誌を習慣にしている。休日はつけてないが、それでも自分の思考の偏りやそのとき何を大切に思っていたかは読み取れるところがよいと感じている。 稀に誰かに勧めてみても殆どの人はやらないのだが、本書でいうところの変化を切望するリーダーのような人でもない限りやらないというのがリアリティがある。

2025-07-27, read count: 1, page: 73 ~ 82, pages read: 10

第 8 章 アイディアの力を育てる。 自身への気付き同様に問題解決型リーダーシップではアイディアの力を育てる戦略も不可欠。 問題解決型リーダーは「正しい一つの答え」の他にまだ発見していない答えがあると信じていて、それが技術革新につながる。 創造的な間違い、盗んだ(そして間違った)アイディア、アイディアの結合、がアイディア生成の三大戦略。 いずれの戦略も「アメとムチ」の「正しい一つの答え」の信仰のもとでは「正しい答え」を「知っている」ので、アイディアを誤ったり盗んだり組み合わせたりしてアイディアを生み出せる可能性を摘んでしまう。 音楽等の芸術も模倣から得るものは多いしそれと同じよな。

2025-07-28, read count: 1, page: 83 ~ 92, pages read: 10

第 9 章 ビジョン。 著者の経験では問題解決型のリーダーには必ずビジョンがある。 彼らは敗北を新たな成功への跳躍に使う能力がある。普通のビジョンを個人的な特別なビジョンに結びつける。 そのビジョンが仕事を自分の延長部にし、品質への強迫観念をもたらす。 ビジョンに基づく行動が人々とのやり取りにも影響を与え、共有されたビジョンは人々の行動につながる。 大教訓の第二なくね?見つかんない気が... ビジョンというとふわっとしてるが、金銭や名声のような対外的な価値と違った内的な信念に動機づけされてると強いというのはそう思う。

2025-07-29, read count: 1, page: 93 ~ 103, pages read: 11

第 3 部 動機づけ。 多くのビジョンは他の人々を助けるものだが、それでも他の人達は動かない。その障害が何か、それに対し何が出きるかを学ぶ。 第 10 章 人に動機づけを与えることについての、第 1 の障害。 動機づけにおける第 1 の障害は、他人から見るように自分自身を見ることができない、というもう 1 つの自己盲目性。 コミュニケーションに顕在部分と潜在部分がある。潜在部分を理解するのにバージニア・サティアのやり取りのモデルが使える。 プロセスは知覚入力・解釈・感情・感情についての感情・防御・発言に関する規則・結果で構成され、それぞれのプロセスで認知の歪みが生じる。 この他人の認知に筋道をつけるために、自分自身の潜在部分を率直に伝えることが、認知の助けになる。 自分の弱みを見せるため、攻撃を受ける多少のリスクはあるし、ときには谷間に落ちる勇気も必要になる。 これ自己開示の話よな。これも学びのメタサイクルと同じで慣れればそのコストは大したものじゃなくなる印象。

2025-07-30, read count: 1, page: 104 ~ 120, pages read: 17

第 11 章 人に動機づけを与えることについての、第 2 の障害。 仕事が複雑である限り人と仕事を分けて考えることはできない。これが第 2 の障害。 仕事の成否が怪しくなったチームでは仕事と人のどちら取るべきか?というような典型的な二律背反を信じるのは、人に動機づけを与えるうえで障害となる。 仕事のあるところには人があり、仕事の対象は人である。 過去に計画を落とすと色んな人が傷つくということで開発者自身の超過勤務は黙認されるようなことを見てきたし体験もしたが、あれは人を優先してると見せかけた仕事優先型なわけか。 ではこの場合技術リーダーなら具体的にどうするんやろな。失敗や部分的な未達を許容するってことかな。

2025-07-31, read count: 1, page: 121 ~ 130, pages read: 10

第 12 章 人を助けることのむずかしさ。 動機づけする≒人を助ける技能は生来のものと信じられているが、そうではない。 そのせいで練習をすることもなく悪循環を引きおこす。 助ける意思があっても、人々が助けを求めていなければ助けることはできない。 効果的な助力には、問題の定義に相互の合意があることが必要である。 善意の助力も、利己的なものであったり、邪魔立てだと思われることがしばしばある。 このように必ず成功すると限らない助力は人々への気遣いを必要とし、また自分に対しての気遣いも必要とする。 助力される側の意思がないといけないのとか、行動変容と同じやな。行動変容は助力か。

2025-08-01, read count: 1, page: 131 ~ 142, pages read: 12

第 13 章 動機づけのできる人になるには。 誰しも人とやり取りするためのサバイバル規則を構築してきている。 中でもメタ規則はその規則自体のアイディアの流れを制御する。 サバイバル規則は生き残り上の価値があって習得しているので、規則を自覚していても変えるのは難しく、変えるためには段階を踏んで規則の個別化・緩和を行う必要がある。 そしてそのサバイバル規則の中に否定的な自己評価があれば、まずその規則を取り払うことから始める。 お次は自己変容。誰かを動機付けるにはまず自分を評価しないと始まらないというのはなるほどな。 読んだことないし読むか。「人を動かす」。

2025-08-02, read count: 1, page: 143 ~ 154, pages read: 12

第 14 章 力はどこからくるか。 自尊心があれば人を動機づけられることが受け入れられない人は、特別な力を手に入れれば突然強力になれる、と考えがちだがそれは危険な考えである。 力は関係から生まれている。人と組織の依存関係、役割を得て組織から期待される力。 そのため力を欲して昇進を受け入れたものの、期待された力を発揮できず、無力とみなされることもある。 時節にあやかって得られる力。例えば情報技術は高度な情報化社会で力になる。 絶対的な力というのがなくて、とりまく環境に左右されて相対的に力を得たり失ったりする、という感じかな。

2025-08-03, read count: 1, page: 155 ~ 162, pages read: 8

第 15 章 力、不完全性、整合性。 問題の殆どは情緒的・心理的な動揺なく機械的にテクニックで解決できる問題だが、実際にその様に機械的に解決されることは少ない。 それは低い自尊心を守るための防衛反応により、行動に移さないことによる。 このように問題はできごとに対する反応で起こっている。 そのできごとに対する行動パターンが成熟しているか否かで、できごとを問題にしてしまったり、問題を消滅させたりする。 単純化した説明では、それは人として成熟しているか否かであり、行動を起こす際に社会的・コミュニケーション的な技能を発揮できるかである。 この章ちょっとわたしには難しかった。場数を踏んでなかったり成熟してなかったりでピンと来てない感じがする。

2025-08-04, read count: 1, page: 163 ~ 174, pages read: 12

第 4 部 組織化。 動機づけの能力だけでなくなぜ組織力が必要か、既存の力をどのように変換するか、有能な組織者になるための道筋を示す。 第 16 章 組織上の力を手に入れる。 人格の力以外でリーダーが使えるものに予算や人員のような資源≒組織上の力がある。 それは平等に与えられるものではないため、新人リーダーはそれらを自分のチームのために他のチームから勝ち取る必要がある。 その競争にそれまでの既存の力を変換する手段が使える。 例えば、重大な仕事を担っているだとか居ること自体に理由がある様な場合、それらを媒介にして別の力を得る駆け引きができる。 これはわたしが信頼ポイントと呼んでるものに近い。仕事を通して貯めたポイントで多少の無理を勝ち取れる。

2025-08-05, read count: 1, page: 175 ~ 184, pages read: 10

第 17 章 問題解決チームの効果的組織法 チームを組織する手法は個人別・投票・強力なリーダー・コンセンサスの 4 種に大別され、大抵はそれぞれの短所を補うために混合が選ばれる。 個人別は投票の前段階といえる。また他の手法を検討するうえでの基準値としても役立つ。 投票は概ねチームの平均的な回答に収束するため、うまく動いているチームの場合はどの手法よりも品質が劣る。また意思決定の情報がメンバーに流れず学ぶ機会がなくなる。 強力なリーダーでは概ねリーダーの性能に品質は依存するが、知識の浅いメンバーの影響を受けて品質を落とすこともある。 コンセンサスは、時間はかかるが高品質の決定を得られ、全ての情報も共有され学びになる。ただし専門知識が貧弱だと投げやりな議論に時間を費やしコンセンサスは崩壊する。 いずれの手法も、解決したい問題に合わせ、状況に適した最良の手法を選択すべきである。 数年チームを率いてないのでアレやが、状況に応じて最良の~ってのは有機的なチームの特徴と重なって見えた。

2025-08-06, read count: 1, page: 183 ~ 194, pages read: 12

第 18 章 有効な組織づくりへの障害は? 有効な組織は状況に合わせて有機的にリーダーを選出する。 この有効な組織づくりへの障害は大きく 4 つ、命令する側される側に二分する、人を機械のように扱う、技術リーダー自身がやってしまう、不手際により発生した問題解消したことに報酬を与える、がある。 技術リーダーの仕事は自分で問題解決をするのでなく、問題解決の環境を作り上げることといえる。 だから、リーダー自身が手を下したり、問題に対処するため徹夜したメンバーを称賛して問題を未然に防いだメンバーを称賛しない等が、組織づくりに障害を与える。 自分で手を下しがちよな。手を下してしまうから有機的な組織にならないのか、あるいはその逆か。卵と鶏の話のようやがここは手を出さないべきなんかもな。

2025-08-07, read count: 1, page: 195 ~ 204, pages read: 10

第 19 章 組織づくりの学び方。 チームをより良く対処させ発展するようにしむけるにはどうすればよいか。そのためのいくつかのアイディア。 原始的な方法は、公私を問わず活動・団体・講習など組織づくりの実体験に参加して練習する。 より近代的な方法として、組織を観察し変化を投入するような実験をしてみる。 解決したい問題に対し不適切な組織形態をとっているような不整合を探してみる。 組織を構成する人々の性格の傾向の個人差を知り、その違いを許容するようにしてみる。 これらのアイディアだけでなく、観察して学び始めると学習方法がいくらでも見つかるようになると。 組織づくりをしていくと実践者自身が組織の一部となり、自身も変容の対象になっていく。この自己変容の話は以降の章で詳しく。

2025-08-08, read count: 1, page: 205 ~ 214, pages read: 10

第 5 部 変容。 リーダーとして自己変容していくなかで、どのように周りからテストされ、自分自身をどのようにテストし計画的に変化に備えるか、その際の支援を得るには、という諸問題を考察する。 第 20 章 自分はリーダーとして、どのように値踏みされるか。 長々とエピソードが記述されるが、要は初めてのチーム(ここでは新学期)ではリーダーもメンバーも互いに信頼関係がなく不安で、そのためお互いの弱点を探り合い疲弊に陥る。 そのようなメンバーの不安を緩和するために、リーダーから最初に情報を開示する、あるいは近い将来に信頼関係を築いた後に開示する約束をすることで、安心できる環境を提供できる。 リーダー自身もその値踏み≒信頼関係構築の間に自己変容しチームに順応していく、といったところか。

2025-08-09, read count: 1, page: 215 ~ 226, pages read: 12

第 21 章 自分自身のリーダーシップ試験に通るには。 リーダーは周りから常にテストされるが、同時に自分自身をもテストしている。 自然な状況で発生する問題に対する自身の対処を通して、周りがどの様な反応をするかをテストする。 実際の状況でテストするのでリスクもありうるが、これらのテストはリーダー自身の成長のための基準線として役立つ。 また自分自身のテストでしばしば失敗をしていないなら、それは自分自身を過保護してテストが機能していない可能性がある。 自己変容の文脈なので、自身の観察をして適切な難易度のテストを行っていくというところか。

2025-08-10, read count: 1, page: 227 ~ 236, pages read: 10

第 22 章 変わるための計画を立てる。 自己変容のためにはまず自分の特性ととりまく環境を知る必要がある。 そこで自分 1 人でできる安全で結果に即時性がある目標を立て実行する練習で、自身の変化のスタイルと環境の理解を深める。 行動変容の文脈においては新しい習慣の導入は難しいので、小さな変化から始めるのは効果があろうな。 あと技術リーダーになりたい人が実践するということもあり、いちばん重要な本人のやる気も申し分ない。

2025-08-11, read count: 1, page: 237 ~ 246, pages read: 10

第 23 章 変わるための時間を見つける。 変化のための時間を確保するための方法について。 大きく 3 つ、人に任せた仕事に介入しない、自分の行動を優先順位付けして組織化する(緊急対応に頼らない)、 1 つの行動で複数の利益を得る、がある。 また他の人の学習内容を取り込むことで時間を圧縮できる。 わたしの場合、仕事に関連しない学習は家事育児の隙間時間に 1 人で行うことが多く、誰かの学習内容を取り込むという側面は弱い(本も blog も誰かの学習内容といえばそうだが)。

2025-08-12, read count: 1, page: 247 ~ 256, pages read: 10

第 24 章 変化のための支援。 個人的な支援システムを構築する。平たく言えば人的ネットワーク。 このネットワークは互助的なもので相互に支援する。 変化のための支援システムであれば、期待通りの回答ばかり得られるものではなく、それ自体有機的に変化できる必要がある。 自分の業績などが支援あってのもの、は忘れがちでよく言われる話やな。 わたしも手持ちの人的支援システムは少ないけどある。直接的というより間接的な支援を受けてるかな。

2025-08-13, read count: 1, page: 257 ~ 266, pages read: 10

エピローグ。 リーダーになるのは少なからず変化によって幸福を失うリスクを伴う。 にも関わらず自分の動機を知ることなくリーダーになるという幻想に囚われることがある。 もしそのような強迫観念に囚われたら、なぜ自分はリーダーになりたいのか、リーダーになって提供できる資産と持ち込んでしまう負債は何かを問い、自分で断ち切るしかない。 誰かを助けたいという動機がなければ技術リーダーになれない、というのが本書の主張だし、利己的な動機だけで幻想を抱いて火傷するなよってところか。 本編はこれで終わり。あと文献案内を残す。

2025-08-14, read count: 1, page: 267 ~ 274, pages read: 8

文献案内。 本書を読んだあとはまず現場に出て実践すべきだというのが著者の主張。 リーダーシップに関してより詳しく知るべき時がきたら、掘り下げたいテーマに関する推薦する文献を読むことをお勧めする。 テーマは組織モデル、リーダーシップ、会議、自己評価等。哲学や禅からのアプローチもある。 輪読会で読んでる倫理学も哲学との関係が深く、リーダーシップは応用倫理と重なる部分もあって、多方面からの探求も面白い。

2025-08-15, read count: 1, page: 275 ~ 288, pages read: 14