Booklog - GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦

中田 敦

TEAM OF TEAMS で GE に触れられてたし良い機会なので読む。去年買ってたらしいが理由は失念した。 プロローグ。ウェルチが脱製造業を進めていたのに対し、リーマンショックの金融事業の打撃を受けてウェルチ路線が会社を危機に陥れたとイメルトは考えた。 製造業回帰を目指し、脱製造業の内に起こったデジタルディスラプションを乗り超えるために DX に取り組んだ。 変化をいとわない GE の学ぶ文化は変わらないまま、ウェルチ時代が日本の製造業の生産方式から学んだのと同じ様に、イメルトはシリコンバレーのスタートアップを徹底的に見習った。 GE の DX の話ぽいな。調べたところその後 DX だけでは企業の評価は上げきれずイメルトは退任、巨大になり過ぎた会社は分割されコングロマリット時代は終わった、みたいな感じかな。 ウェルチ時代を利益追求のためにゆとりを削除した効率化と捉えれば、複雑化した時代に対応するためにイメルトが組織を作り直そうと方向転換しようとしたのはわかりやすい。

2026-01-21, read count: 1, page: 1 ~ 43, pages read: 43

第 1 章。 GE がデジタル参入するまで。 リーマン・ショックで金融事業がダメージを受けて製造業へ回帰する際に、デジタルディスラプションに対抗するため本業である製造業を DX しようとした。 GE にとってはメインフレーム、 IT アウトソーシングに続いて 3 度目のデジタル参入だが、本業をデジタル化するのは初めて。 スタートアップがメディアやエネルギーや医療などの GE の中核事業を蹂躙したのに加え、 IBM が GE の顧客の業界にデジタルサービスを売る戦略を進めたので、対抗するにはそれしかなかったともいえる。 シリコンバレーの流儀を学び、デジタル事業部門も立ち上げた。 ①自社の製造事業をデジタル化により効率化する、②販売する機器のデータを収集して効率的な運用や故障予防といったサービスを販売する、③自社の製造業デジタル化に伴い開発した技術を新しい顧客に販売する、3 つの戦略。 デジタルに舵を切った理由は分かるが製造業に回帰した理由ははっきり書いてないな。祖業で実績があるから勝てると見たとかかな。

2026-01-22, read count: 1, page: 24 ~ 43, pages read: 20

第 2 章。 GE デジタルの誕生。 報酬は並だが、シリコンバレーの穴場に居を構えて中心地の物価高騰や通勤疲れのエンジニアをターゲットに変革に参加できるというビジョンを売り込んだ。 GE 外から大量のエンジニアを雇用。リーンスタートアップとアジャイル開発を導入。 自社製品だけでなく他社製品も繋げられる IoT ネットワークで製造業のプラットフォーマーを目指した。 調べたら結局 GE デジタルも Predix も解体され各事業部の内部組織に組み込まれたみたいなので、外部から人を集めたのも含め典型的な Center of Excellence の失敗例みたいな感じかな。 素早く立ち上げるには CoE がいいんやろけど。 にしても立地を採用戦略に使うのは面白いな。

2026-01-23, read count: 1, page: 24 ~ 43, pages read: 20

第 3 章。 GE のデジタルサービスについて。 Airbnb や Uber 同様に、既にある資産、 GE の場合は販売した産業機械から得られる収入を最大化するサービス。 産業機器の CAD データから得られた物理モデルとセンシングデータから生み出した機械学習モデルが鍵。 Google や Amazon に比べてデータ量が少ない点や産業機器に求められる高精度さを物理モデルのシミュレーションでカバーする。 サブスクだけでなく成果報酬型も揃える。 様々な産業機械のデータをつなげたデジタルスレッドが故障予測だけでなく産業機械や施設の運用効率化を生む。 長年蓄えられた産業機械のドメイン知識とセンシングデータの統合しやすさが GE の強み。 本書の時代が多少古いのもありちょっとデータ分析におけるデータ収集部分を甘く見てる感じはするな。 データが汚いとか。例え同じ会社でも組織が異なればスキーマの調整はそううまくいかんやろう。 ビジネスの構造としては至極まっとうな感じがしたので、ビジネスを進める中で顧客が着いてこれなかったとか GE 内での連携がうまくいかなかったとかあるんやろな。

2026-01-24, read count: 1, page: 78 ~ 103, pages read: 26

第 4 章。 GE の開発手法。 リーンスタートアップの GE 版 FastWorks をデジタルに留まらず全社的に使う。顧客に要件定義させず自分たちでヒアリングして MVP を作る。 課題の解決策はデザイン思考でアイデア出しする。リーンスタートアップの源流にあるリーン生産方式の現地現物も取り入れている。開発はアジャイルでペアプログラミングを取り入れる。 この様なスピード感のある手法に対応できる組織ではなかったので、組織の単純化・権限移譲で変化しようとした。 デザイナーがファシリテーターとして機能する。データサイエンティストは科学者として活動する。コラボレーションを促進するオフィス等、 GE はこれらのシリコンバレーの規律を学び取り入れた。 今ではよく知られたプラクティスで特に気になるでもないが、仮に GE デジタルが解体されてもこれらが文化レベルで浸透していれば、今の GE は組織として次のステージに進めていると考えられるな。実態はどうかしらんけど。

2026-01-25, read count: 1, page: 104 ~ 137, pages read: 34

第 5 章。 GE が開発したサービス。 GE が Predix を作ったのは産業機器のデータを収集・分析する資産のためのシステム(System of Asset)がなかったから。 SoR ではだめ。エッジデバイスも提供する。 ミドルウェア・マイクロサービス・業務システムの三層。ミドルウェアは OSS と 3rd party の SaaS 。大部分で OSS を利用して最新技術に追いつく戦略。大量のセンシングデータを分散処理して関連付けをグラフ DB で行う。 この章の内容は技術史として正確じゃなさそうなので程々でいいかとに思った。そういうナラティブにしたかったのだろうが Google そっくりというのはちょっと雑な気がした。

2026-01-26, read count: 1, page: 138 ~ 165, pages read: 28

第 5 章。 GE が開発したサービス。 デジタルスレッドが施設や作業の可観測性を高める。 Predix で提供される膨大な API はマイクロサービスで実装されていて業務アプリケーションからはそれを使う。 エッジデバイスの一部はオフラインで使える代わりに利用できる API が制限して提供される。 将来は非破壊検査のための超小型ロボットもエッジデバイスに加える計画だった。 Predix を利用する新しい顧客も現れた。 LIXIL は GE の危機を使わず純粋に Predix でシステムを構築、ピツニーボウズ Predix の上に独自のマイクロサービスを構築し、それを販売した。 ここだけ読むとプラットフォームとして成功してそうだが、今は畳んでるし期待ほど伸びなかっただけなんか、或いは。この本だけだといい所しか書いておらず正しく評価できないな。

2026-01-27, read count: 1, page: 165 ~ 181, pages read: 17

第 6 章。デジタルで変わる製造現場。 ディーゼルエンジンの分解・修理を担う工場での徹底的な可視化・自動収集・無駄の排除・単純化・ポカヨケ・文化。 施設の稼働状況、施設内機器のセンサー取り付け、デジタルカメラによる画像認識、作業員が携行する Bluetooth デバイス等で集めた情報に基づく改善活動。 作業を単純化しミス低減、顧客第一の文化を作り出す。ここでいう顧客第一は、 GE に関連する他の工場へのナレッジの共有、作業員の安全・効率を指す。 エンジン部品の製造に導入された 3D プリンター。従来より軽く耐久性能も上げられる。また 3D プリンター市場でも存在感を見せる。 この辺りは今にしてみれば製造現場の DX としてありそうな話やが時代を考えれば相当進んでたんやろうな。 GE デジタルと Predix を畳んだ後も社内の DX の成果は生き続けるだろうし。

2026-01-28, read count: 1, page: 182 ~ 199, pages read: 18

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