Booklog - クリエイティブプログラマー 創造的なプログラミングのための 7 つのテーマ
Wouter Groeneveld, 高田新山, 秋勇起, 水野貴明
序文 ~ 1 章。 1 章が「はじめに」みたいな感じで以降の章の進め方をまとめている。 謝辞でリファクタリング・ウェットウェア(Pragmatic Thinking & Learning)に触れられてて期待できそう。 著者自身により洋の東西で文化的に創造性に対する考えが違うのに触れられているのは親切(内容は西洋のものだがとのこと)。 創造性とは何なのか。教科書的回答の 1 つは、斬新で独創的・目の前の課題と関連しているアイデア。創造性は社会評価的で時間や場所の影響を受け、ものによって評価もされない。 いま創造性が求められるのは、問題を解決・発見するため、チームワーク、楽しいから。 Pixar の本のクリエイティブ・創造的って芸術とかの狭義ものより広義なものっぽくてなんだろうと思ってたが、本書の定義のように汎化されたものが提示されてるとしっくりくるな。
2026-04-09, read count: 1, page: i ~ xx, 1 ~ 20, pages read: 40
2 章。創造性は情報の input から始まる。注意深い観察・ツェッテルカステン・前例から学ぶ。 創造性を生み出すインスピレーション主義者・状況主義者・構造主義者といった異なるアプローチのうち、構造主義的アプローチは自分の専門領域を超えた広範な知識を得て、再構成して内面化し、そこから行動を起こす。 ただし豊富な知識が「知識プライミング」となり創造性を潰すこともある。メモ→メメックス→ジェネックス。 思い出させてくれる、思いも寄らない関連を見つける、そういうメモが創造性を刺激する。 著者はアナログを好むらしい。わたしも PAA(Personal Analog Assistant) に憧れ昔 10 年くらいは Moleskine に万年筆でメモってた。が使いきれなかったり検索性に問題あったしでデジタルに移った。 Obsidian もマインドマップもしっくり来なくてただの Markdown に書いてる。エクソセルフとして機能してりゃ何でも良いが、メモが上手い人のことは羨ましい。 どうもあとの方で「スペシャリスト VS ジェネラリスト」に触れてるらしくて楽しみ。ジェネラリストは知識の相乗効果でスペシャリストになるねんよな。
2026-04-10, read count: 1, page: 21 ~ 54, pages read: 34
3 章。集団的創造性。協力的なチームワークが創造性を高める。カメラータの特徴、共有された問題・個々の知識の共有・生きた学習するシステム=シンマセシー(symmathesy)・批判的。 創造的なアイデアは、異なるアイデアと衝突する液体ネットワークから生まれる。 創造性は時間の制約を受ける。イノベーション曲線のように、最初は受け入れられず伝播に時間がかかる。 集団内の創造性の伝染に関して触れられてた。知ってるけどわたしはあまり信用してない。感染源が少なかったり受容体が少なかったりする場合はまず起こったことがない。
2026-04-11, read count: 1, page: 55 ~ 88, pages read: 34
4 章。適度な制約のもとで創意工夫が必要になり創造性に繋がる話。制約は環境や自発的に課すでさえも創造性を高めるのにつながる。 制約にぶつかったとき、あえてナイーブなアプローチをとることで、創造性が発揮されることもある。 制約が厳しい関数型プログラミング言語を使うのも似たような理由かなーと思ったら例に Go が書かれてた。コードゴルフなんかもそうなんやろな。 文中で興味深かったのは、スタートアップらしい早くリリースする話も制約と捉えれる点かな。 バッチサイズやリードタイムが決まっているとその中に収まる仕事をすると思ってたが、あえてそこに挑戦するということなのかな。 小さなチーム~は読んでたけどそこまで意識はいってなかったな。
2026-04-12, read count: 1, page: 89 ~ 132, pages read: 44
5 章。創造的な成果を得るには創造的思考と批判的思考の両方が必要。 創造的プロセスは、準備・培養・発現・検証・提示/需要の段階を非直線的に行ったり来たりする。 集中モードと拡散モード、眼の前の問題にズームした分析と、より広い範囲から問題の様々な側面に対するアプローチ。 創造性自体は目標になる可能性はあるが、一般には問題解決における手段である点に注意。批判的思考も時代の空気や認知バイアスの影響下にあることを理解する。 批判的思考が厳しすぎると最終的に創造的な思考も減少させてしまうリスクも有る。 集中しすぎると認知トンネリングにより収穫逓減が始まるというのは面白いな。 stop-and-go が必要なのか。 自己表現のクリエイティブコーディングという言葉が適切な選択ではないというのも面白い。実際この本をタイトルで買うとどっちかわからない。 集中と拡散も、創造と批判も、要はバランスというのが難しいところやな。この辺はプラクティスとして言われてる内容とも合致する。
2026-04-13, read count: 1, page: 133 ~ 164, pages read: 32
6 章。好奇心が創造性を導く。硬直(FIXED)マインドセットとしなやか(GROWTH)マインドセット。 変化が可能であることを信じ挑戦を避けず挫折に耐えて努力する。コンフォートゾーンから抜け出す。言語や技術の切替程度ではコンフォートゾーンを抜け出してない。 好奇心を持ち続ける。 GRIT 。些細な決断すらも意志力を消耗する。自我消耗(ego depletion)。 時間とともにモチベーションが下がるとか報酬が発生しない問題解決を続けられるかという点で、内発的と外発的動機付けの両方があってこそ創造性が生まれるといえる。 マルチポテンシャライト(multipotentialite)が創造性につながると同時に専門性の危機。 液体ネットワークが示していたように偶然の刺激が創造的なアイデアの発露につながる。セレンディピティ(serendipity)。予期せぬ発見が価値を持つ。 結局のところプログラミングのコンフォートゾーンから抜け出すって何なんだろ。システムの領域を超えるっってこと? 内発/外発については、仕事は内発的に問題解決を楽しむ問題解決のきっかけをもらってるものだという理解。仕事上の付き合いだけの言語や技術も多い。 不誠実さに繋がる可能性という創造性のダークサイドも興味深い。「資格取得による専門主義は、あなたのキャリアを発展させる役にはほとんど立ちません。」わろた。 本書はところどころ心理学のトピックを扱ってるから、それが再現性のあるものなのかはちょっと注意して読む必要があるな。 ただ、古代からヒトが創造性を高めるためにやってきて効果を得ているものもあるから、そこに何らかの認知の仕組みがあるのは確かやろうな。
2026-04-14, read count: 1, page: 165 ~ 202, pages read: 38
7 章。創造的な心の状態。正しい創造モード。潜在的自我。 Shower thoughts 。 適切な強度の問題とスキルのバランスが最適経験またはフローへ導く。過度なプレッシャーはフローを不安に変える。 高い認知的負荷で限界に追い込むような活動であるディープワークはフローの一部と言える。 良い習慣は無意識に浸透することで意志力の消耗を減らす。ディープワークも同様にできる。 創造性を得る心の状態は環境の影響も大きいがそれは主観的なものである。例えば、飛行機やドライブ、散歩。往々にして見られるそれらに対する第三者の理解の欠如。 フロー中断の悪影響。避けられない中断の対策としてレトロスペクティブ分析ツール(ポモドーロ等)とコンテキストスイッチの削減。 最も影響が大きい自己中断に対抗する術は集中力を高めること。マインドフルネスがそれを訓練できる可能性がある。 点を集め、繋げる。情報を集めるのはみんなで、洞察を得るのは個人で。睡眠・カフェインのような精神刺激物。 集中と拡散を設計された創造性を刺激する環境、作業スペース。 創造性を高めるのに必要な要素に対する不理解はどこでも蔓延してるんやな。現職はフルリモもあって理解があるから救われてる側なのか。 閃きが突然訪れるものでないというのは体感と一致してる。水面下から頭を出してくる感覚に近い。
2026-04-15, read count: 1, page: 203 ~ 240, pages read: 38
8 章。創造的な行動を促すためのテクニック。プログラミングとアートの類似性。アートベース学習。 良い盗みと悪い盗みを隔てるのは敬意と再編集すること。悪い盗みの例として GitHub Copilot の OSS license 違反したコード生成。休暇を取ること。 著名人のツールボックスにも、本書で触れられる、情報収集・領域を超えた知識の衝突によるインスピレーション、記録と内面化、習慣等の特徴が見て取れる。 調べたところまだこの OSS license の件はいくつかは解決してないみたい。 Organization の設定でも public code と重複する場合に出力を reject できる機能があるし、そういうことなんやろな。わたしもそうしてる。 休暇は取れるだけ取りたいけど、結局休暇中も読書や趣味プロの習慣があるし、それらが仕事と自分に距離を置くポイントでもあるから、休暇じゃないといけない絶対の理由はないかもな。 空き時間が増える点は余裕があっていいけど、習慣のフローで時間が溶けるのも早いし、いくらあっても足りなそう。 ラバーダックは最近 GitHub Copilot CLI の一部に組み込まれたし、計算神経科学じゃあないけどヒトと AI の創造性を刺激するプラクティスは共通するのかもな。
2026-04-16, read count: 1, page: 241 ~ 272, pages read: 32
9 章。創造性は習得できるスキル。ただし単純化されたベストプラクティスに飛びつくのは効果が得られない危険がはらむ。 経験の多寡による創造性の違いと様々な経験をもったチームで協力することの創造性への刺激の可能性。 集中し続けることでの燃え尽き症候群のリスク。そしてあとは実践あるのみ。 本書はコレで終わり。方向性としてはヒトの脳の可能性を最大化できる可能性を示していて、わたしの好きなリファクタリング・ウェットウェアと同じ方向性を持つ。 ただ今となっては自分の心理学的な理解が多少深まったのもあって実験の再現性の問題も知ったし、そういう意味では本書で触れられてる実験には一部注意を促しているものもあったけど、全てを裏付けの確認なしに真に受けるのは危険な気もした。 ただ前にも触れたけど古代からヒトが連綿と続けてきた創造性を育む営みにも本書でいう同じパターンが見られるし、有効な手段の 1 つとして理解し実線する価値はあると思った。既に実践していたものもあろうし。 本書を買ったのはてきとーに Manning だから買っとこみたいな雑な動機だったが、買ってよかったな。雰囲気ちょっと軽いけどいい本だと思った。
2026-04-17, read count: 1, page: 273 ~ 298, pages read: 26
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