Booklog - 異文化理解力 相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養

Erin Meyer, 田岡恵, 樋口武志

イントロダクション。コミュニケーションギャップの原因を個人の性格だけでなくその根幹の文化的な違いに注目する。 各国のエグゼクティブから聞き取って集めた特徴を平均化したモデルを作り比較し、コミュニケーションギャップの原因を読み解く。 このモデルではコミュニケーション・評価・説得・リード・決断・信頼・見解の相違・スケジューリングを軸にした指標で特徴を見る。 対話する者の間で指標を相対的な評価することで文化の差を理解する。 これは自分自身の文化を知る助けにもなる。多くは自分がその文化に染まっていることを自覚できない。 これまた何故買ったか覚えてないが面白そうだったので読む。邦題がバカっぽいのが残念(原題のどこに「ビジネスパーソン必須」があるのか)。 だがイントロダクションを読んだ感じ良いと思った。 現職では異文化コミュニケーションが今は無いが、自分が浸かっている文化を理解する上で役立てれるかな。

2026-03-25, read count: 1, page: 1 ~ 46, pages read: 46

1 。「空気」の話。 本章ではローコンテクスト/ハイコンテクストの違いに触れる。 コンテクストは文脈や言外の意味を持つ程度の話。言語にもその特徴が現れる。 長く共有した歴史を持つとハイコンテクストな文化になり、また言語や文化の多様性がある国ほどローコンテクストになる。 単一民族が長く続いた日本と、歴史が数百年かつ移民が成り立ちであるアメリカがその極端な例。 最も誤解が生じやすいのが異なるハイコンテクストな文化間でのコミュニケーション。文化的多様性があるチームではローコンテクストを徹底する必要がある。 透明性のあるやり取りがハイコンテクストな文化圏の人にとって信頼の欠如と受け取られないよう、チームの原則として明文化された合意が必要となる。 アメリカがそうであることを考えたら文化的に多様なチームがローコンテクストになる理由も自然とわかるな。 文化的に失礼に当たらないよう事前に合意しておくというのは興味深いな。日本人同士でもビジネスで空気の読み違いがあるし、学びになる。

2026-03-26, read count: 1, page: 47 ~ 84, pages read: 38

2 。「礼節」を持った「評価」の話。 良い/悪い評価を直接/間接的に伝える文化のグラデーションがある。 ローコンテクストな文化で悪い評価を間接的に、ハイコンテクストな文化で直接的に伝える、といった一見ズレたケースがあるため慎重さを要する。 ハイブリッドなチームでは、ローコンテクストの徹底が必要だが、ハイコンテクストな文化へ礼節が欠けないよう説明が必要。 日本はハイコンテクスト&間接的フィードバックの最高峰。 わたしの過去の経験では直接的な批判ばかりな印象しかないが、それがつよい下位層組織が関係してるっぽい。 フラットな組織でも割とそんな気がするが、 IT 組織特有なのか、単に気づいてないだけか。 今更 8 つの指標がそれぞれ章になってるのに気づいた。どっかに書いてたの読み逃したかな? あとカルチャーマップのデータ見つつ読んだ方が効果的やろうが、本家カルチャーマップは有料なのでなかなか読書だけでは手が出しにくいな。

2026-03-27, read count: 1, page: 85 ~ 118, pages read: 34

3 。思考に於いて何を重視するか。 西洋文化圏は、米英的な結論を優先する帰納的思考と、大陸的な原理を優先する演繹的思考のグラデーションがある。 教育の方針も含め、知的生活や科学的アプローチに影響を与えた一因として、その文化圏の代表的な哲学者たちがある。 法律も同じで、文化的な思考の傾向の影響があり、コモン・ロー、シビル・ローといった形で現れている。 西洋文化の特定的に対し、東洋は包括的。それは仏教・道教等の調和に対する関心から、相互のつながりや関係を重視するため。 文化的な思考の傾向が哲学的な思考にも影響を与えていると考えるのが妥当かなと思ったが本書はそうじゃなさそう。 東洋がマクロからミクロへと考えるという話は、自分が所属する日本の組織もそうであることを認識しておくべきやな。

2026-03-28, read count: 1, page: 119 ~ 146, pages read: 28

4 。権威主義と平等主義。 平等主義的な文化では上司がチームメンバーと同じように振る舞う、例えば机を囲み自転車で通勤することが良い事ととられ、権威主義的な文化では恥ずかしい上司だとか良くないことだと取られる。 ホフステードの研究や GLOBE プロジェクトの研究で、権威主義と平等主義のグラデーションがあることがわかっている。 ヨーロッパでも、ヴァイキング文化とローマ文化の影響、プロテスタントとカトリックの影響で、平等主義と権威主義的のグラデーションがある。 東洋は全体的に権威主義的で歴史的な家父長制的な見方は儒教の影響が考えられる。 この文化の差は特に階級を飛び越えたコミュニケーションの際に問題になり、上司は部下の文化に合わせたコミュニケーションが必要になる。 それはちょっとした仕草や服装にまで及ぶ。 これは私自身も日本的な権威主義の中にいるのは間違いないはずなので、比較的平等は文化にいるとしても階層を意識している事があると肝に銘じるのが良かろうな。

2026-03-29, read count: 1, page: 147 ~ 180, pages read: 34

5 。意思決定が合意形成か個人によるトップダウンか。 決定が変更可能かそうでないかのグラデーション。アメリカは特に開拓者精神の影響で素早く意思決定を行う傾向がある。 いくつか例外的な国があり、アメリカの平等主義活トップダウン、ドイツや日本の階層主義かつ合意主義は、それぞれが混ざり合うと意思決定にすれ違いが生じる。 更に日本は稟議と根回しという独特の意思決定プロセスがある。 これほんと日本の意思決定の不透明性として恥じるべきプロセスやと思うんやが本書はあくまで差に注目しているのでそうはいってないな。 アジャイルで見られる特性と思うものがアメリカの文化的特性でもあるんやな。これは気をつけておこう。 仮に日本でアジャイルをやってるとしても組織全体がそうじゃない場合にはこの文化的な差を把握していることが重要な気がするな。

2026-03-30, read count: 1, page: 181 ~ 202, pages read: 22

6 。認知的信頼と感情的信頼。仕事の実績や能力値による頭での信頼と、個人的な関係による心での信頼。 ただし関係ベースの信頼関係の文化だから友好的かというと違う。 一見友好的なだが淡白な「桃」の関係、初対面はそっけないが打ち解けると温かくなる「ココナッツ」の関係がある。 多文化のチームでは関係ベースの信頼関係を築いていくことが失敗した時の助けにもなる。 関係ベースの信頼関係を築くには時間がかかる。またビジネス的な良い面だけを見せるのでなく素の自分を見せることが心を許した関係につながる。 信頼関係を築く際には相手の文化における手順を踏むのがよい。アジアの酒だったり、中東であればお茶。 日本は関係ベースの信頼関係だが、退職した従業員の繋がりからわかるように、仕事に関してはかなりタスクベースなの、よくわかるな。 エンジニア組織はよりタスクベース寄りと思われるので、会社内で文化が違うチームとの信頼関係なんかでも同じことが言えるやろうな。 個人的に学んできた結果かなりきついタスクベースだろうから、周りからは素っ気ないとか無礼やと思われてそうという自覚は持てたな。

2026-03-31, read count: 1, page: 203 ~ 240, pages read: 38

7 。見解の相違に対するスタンス。対立して表立って議論を活発に行うか、対立を回避し調和を尊び誰かの面子を失しうる議論を避けるか。 感情表現豊かだからといって活発に議論を行うとは限らない。対立回避型の文化では上位者が同席すると同調圧力があること、また問題と個人の切り離しが困難であることから、議論が起こりにくい。 これもわたしが日本的な要素が現代的なビジネスをする上で相性が良くないと思っているところ。長く続くには良いのだけど、旧な変化や破壊的な進化が難しくなる。 でもここ数年は忖度や慮るということをやめて率直な議論が行われるのが良しとされるし、代わりつつあるのかな。 とはいえ本書であるような対立回避の文化の人が対立文化の人の振る舞いをマネた場合のトラブルのようなことが良く見てきたな。 その点でも自分の文化が対立回避型であるという認識はアプローチの助けになりそう。

2026-04-01, read count: 1, page: 241 ~ 268, pages read: 28

8 。時間の概念。遅れ・押すことの許容範囲の文化ごとの違い。 単一的時間(モノクロニック)では時間を具体的なものとして消費・節約し、多元的時間(ポリクロニック)では出来事をつなぐ線のように大幅に柔軟に捉える。 日常の活動が規則正しく予測可能な国では直線的な時間を軸に、逆に不安定で状況が目まぐるしく変化する国では人間関係によるスケジューリングが重要で時間を柔軟に捉える文化を持つ傾向がある。 この文化の表出する例として行列がある。直線の行列か「常緑樹」か。 文化的に多様なチームでは時間に関する明確なルールを合意することができれば誰もがそれに順応できる。時間の文化差で難しい問題は互いの文化を「非効率」なものと考えてしまう点。 日本はとても時間に厳しいのでこの点良く理解しておく必要があるな。フルリモだとかなり柔軟性があるが、会議などの予定はその限りではないからな。

2026-04-02, read count: 1, page: 269 ~ 294, pages read: 26

エピローグ。自分たちの文化は当たり前過ぎて異文化からの見方を想像するのは難しい。しかし自分たちの文化が如何に独特か理解することが議論・理解・学びへとつながる。 本書はコレで終わり。中々良かった。異文化同士が見た文化的な差異が「怠惰」だとか「不適切」に映るというのは重要なポイントだと思う。 本書にも書いてる通り文化ごとの平均的な振る舞いをモデル化してるのでステレオタイプな評価であることと、著者の「カルチャーマップ」のデータはサブスクしないと見れなので手が出しにくいのが難点だが、前提を疑う視点を養うという意味では本書で十分と思った。 IT 関連のアジャイル・マネジメント・リーダーシップなんかの情報は米仕込みのものが多いので、それらの根底にある文化的な前提を知るのと、我々東洋人の持つ文化的バイアスを認識するのに有用。 2018 年末に買って 2026 年まで積んでたようなので、供養の意味でも良かったw

2026-04-03, read count: 1, page: 295 ~ 320, pages read: 26

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